プロジェクトオーナーをお飾りにするな!

システムを使った業務改革が開始されるきっかけとしては、会社の方針、個人の気づきによる業務改革の提案、社外からのデジタル化の要求など、いろいろあります。
みなさんが、その担当となった時に、まずやらなければならないのは、プロジェクト体制の構築です。
関係する人を集めて、プロジェクト体制を作ります。
最初は少人数で始まるプロジェクトも、時間と共に参加する人も増え、大きなプロジェクトになっていく場合もあります。
どのような場合でも、活動を支える「体制」が無ければ、活動ができません。
では、プロジェクト体制の構築では、どのようなことをやらなければならないか、以下の順番で説明しいきましょう。

1.プロジェクトオーナー、プロジェクトマネージャ、プロジェクトリーダーの決定
2.PMO(Project Management Office)の設置
3.プロジェクト参加者の選出
4.プロジェクト参加者の役割の設定
5.プロジェクト体制図を作る

プロジェクトオーナー、プロジェクトマネージャ、プロジェクトリーダーの決定

まずは、プロジェクトを支える上位層のメンバの決定です。
プロジェクトの大きさにもよりますが、最低でもプロジェクトマネージャ、プロジェクトリーダーの任命は必要です。
部署内、部署間をまたいだプロジェクトのレベルの場合は、プロジェクトマネージャの権限の下活動が実施されます。
しかし、会社全体規模でプロジェクトを実施する場合は、プロジェクトオーナーを立て、会社の経営層に働きかけをする必要があります。

プロジェクトオーナーの役割

このプロジェクトの最高責任者であり、プロジェクトの実施、中止を決定する権限を持ちます。
プロジェクトを推進するために、協力が推進力と、明確な目標、目的を持ち、プロジェクトを推進します。
プロジェクトオーナーにはできれば会社の役員クラスになっていただき、経営視点での判断が求められます。
また、社内上層部への提案、調整、情報発信をしていただきます。
社内に明確なプロジェクトの意思を伝え、社員にプロジェクトに対して協力的な雰囲気を作ることも重要な役割です。
プロジェクトオーナーには情報発信力が求められます。

<やること>
①ステアリングコミッティ(通称ステコミ)の参加し、プロジェクト全体の進捗確認
②予算、システムの導入日などプロジェクトで会社判断が必要と思われる事項の確認及び決定
③②の会社役員会など会社の意思決定会議への提案
④プロジェクトの内容を会社トップの方針へ展開
⑤期初、期末の説示などでの④方針の説明

プロジェクトマネージャの役割

プロジェクトの全責任を持つのがプロジェクトマネージャーです。
そう言われるとかなりのプレッシャーですね。
でも、それくらいの責任を持つのが、プロジェクトマネージャーの役割です。
プロジェクトオーナーとプロジェクトリーダーの違いは、プロジェクトオーナーは会社経営に関わる視点でプロジェクトに関与しますが、プロジェクトリーダーは現場視点でプロジェクト全体の進捗管理をします。
視点が全く違います。
プロジェクトマネージャは、社外との交渉、社内部署との調整、ユーザーへの情報発信、経営層への報告などの業務があります。
プロジェクト全体の進捗を確認し、プロジェクト全体の人、モノ、金の管理をします。
一番はトラブル発生時に先頭に立ち、そのトラブル対応と、日程、費用の調整を速やかに行い、プロジェクト全体の遅れを最小限に抑える必要があります。
プロジェクトを進める中で、予期せぬトラブルによって発生した遅延に対しては、追加投資や、人の投入などの計画修正を行い、プロジェクトオーナーに報告し、経営層に働きかける活動をします。
プロジェクトマネージャーの役割はプロジェクトの中でも大変重要です。
プロジェクトに対して豊富な経験を持ち、的確にプロジェクトの意思決定ができる人物が求められます。
プロジェクトマネージャには判断力が求められます。

<やること>
①プロジェクト定例へ参加し、進捗の確認と、プロジェクトで発生している不具合などの対応に対する意思決定
②社外との交渉、社内部署との調整などの対外折衝
③ユーザーへの情報発信、経営層への報告など各種情報発信
④プロジェクトで発生する人、物、金の判断
⑤会社上層部へのプロジェクトの進捗報告やプロジェクトで不具合発生時などの報告

プロジェクトリーダーの役割

現場のメンバーをまとめ上げ、プロジェクト全体の業務進捗を管理します。
各チームから上がってくる進捗の状態を把握し、トラブルが発生した場合は、速やかに対応します。
プロジェクトの日程全体に関わるようなトラブルの場合は、プロジェクトマネージャーに報告し、プロジェクトとしての判断を仰ぎます。
ベンダーなどの窓口となり日程や、費用の交渉なども行います。
システムを使用するユーザーからの要求やクレームなどに対しても判断する必要があります。
直接的に現場を管理するのがプロジェクトリーダーの役割です。
プロジェクトマネージャはなにか起こった際にすぐ行動し、率先して物事を解決する行動力が求められます。

<やること>
①各チームの日々の活動状況の把握、困りごとへの対応
②プロジェクト定例へ参加し、各チームの進捗報告と、プロジェクトで発生している不具合などの報告
③プロジェクトに参加する業務委託の会社などとの交渉、業務調整
④社内部署との仕様の調整、業務変更内容の合意などの各種対外折衝

ポイント!

私の経験から言うと、プロジェクトオーナー、プロジェクトマネージャ、プロジェクトリーダーは以下の順番で決まってきます。
①プロジェクトリーダー
②プロジェクトマネージャー
③プロジェクトオーナー
なんか、順番が逆なような気がしますね。
でも現実はこのような順番です。

プロジェクトマネージャー、プロジェクトオーナーを説得するのはあなた

では、今この記事を読まれているあなたは、この中のどのポジションに位置する人でしょうか?
きっと「プロジェクトリーダー」になるべき人がこの記事を読んでいるのが多いのではないでしょうか?
会社の今の業務の実情と、世の中の状況を比較した時に、あまりにも自分の会社が遅れているのに気づいたあなた。
はたまた、会社の上司から突然「これからはDxだ!」と言われ、業務改革を指示されたあなた。
どんなきっかけにしろ、あなたはプロジェクトリーダーとなり、システムを使った業務改革に着手する業務をやらなければならない位置に立ったのだと思います。
日本の会社は欧米の会社とは違い、ボトムアップの提案がほとんどです。
下から上に提案して、了解してもらいやっと仕事ができる。
たとえ、上司からテーマを与えられたとしても、何故かその上司に提案を持っていかなければならない。
きっとそのような状態だと思います。
この後あなたは、上司にプロジェクトマネージャー、プロジェクトオーナーに就任してもらうようにお願いしに行かなければならない。
とても損な役割ですよね。
でも、プロジェクトリーダーは大変ですが、一番プロジェクト全体が見える位置に居る役割だと思います。
やりがいの有る仕事だと思います。
是非、みなさん頑張ってプロジェクトを成功に導きましょう!

プロジェクトオーナーをお飾りにするな!

前置きが長くなりました。
さて、あなたはこれからプロジェクトマネージャー、プロジェクトオーナーを選び、説得しなければなりません。
プロジェクトマネージャーは直属の上司が多いと思います、プロジェクトオーナーは、今回導入するシステムの範囲によって決まりますが、部長クラスか本部長、大規模システムであれば会社の役員クラスになります。
そのような人にシステムを導入して業務改革することを理解させて、そのポジションに付いてもらう必要があります。
その時に大事なのは、それらの人にシステムを使った業務改革の「内容を理解し、共感し、共に戦う戦士となる決意」を持ってもらう事です。
どうしても会社の上層部に行けば、行くほど「システム導入は面倒、専門家に任せておけばいい」と思いがちです。
「ITは難しい」と勝手に決め込んで、聞く耳さえ持ちません。
そんな人達に「内容を理解し、共感し、共に戦う戦士となる決意」を持ってもらわなければならないのです。
そしてその決意を持って、プロジェクトを推進していただかなければなりません。
プロジェクトのオーナーの一番の役割は社内への情報発信です。
自らの年度方針などにプロジェクトの目的、目標を入れ、期末、期初報告の場などでは、絶対にプロジェクトの意義や活動の状態などを報告する。
プロジェクトのイベントには必ず参加し、プロジェクトに参加するメンバの意識が向上するようなコメントを発する。
いかにプロジェクトの意義を社内に伝え、プロジェクトに皆が協力的に参加するように会社全体を持っていくか。
このような事ができるのはプロジェクトオーナーしかいません。
これによって、プロジェクトの社内活動のやりやすさは格段に違ってきます。
社員がプロジェクトの名前を知っている、何をやっているか知っている。
話をした時に「あ!、あの話ね」と少しでもプロジェクト情報がインプットされていることは活動のやりやすさでは、格段に違います。

「プロジェクトオーナーをお飾りにするな!

プロジェクトオーナーをただの名ばかりの役割にしてはいけません。

プロジェクトオーナーの方針説明でがっかり

私はあるプロジェクトでプロジェクトオーナーになっていただいた方が、期初に方針説明をした際にこんな事がありました。
プロジェクトは大きなプロジェクトで、オーナーは会社の役員の方でした。
ある部門を統括する方で、方針説明には課長以上の社員が集められました。
期初の方針説明なので、会社の状況、今期の売上目標、重点施策などの説明がありました。
説明会に参加したプロジェクトに参加するメンバは、「きっと私のプロジェクトの説明があるはずだ」と思って、期待を持って方針説明を聞きました。
しかし、結局は最後までプロジェクトの内容は一言も触れられませんでした。
プロジェクトメンバはがっかりしました。
かなりがっかりしました。
「社内のIT化は大事だ」「そのプロジェクトの効果は絶大だ」と言っていたプロジェクトオーナーも、結局は新製品や新しい事業の立ち上げに比べればIT化はさほど重要なテーマでは無かったのです。
私達のプロジェクトはオーナーにとってこの程度の位置づけなのか。
プロジェクトに参加するメンバの気持ちは向上するどころか一気に下がりました。
期初の方針の中に入り、方針説明の中で語られる意義は、それを聞く社員にとっては大きなインパクトがあります。
プロジェクトに参加するメンバの士気にも関わります。

プロジェクトオーナーをお飾りにしてはいけません。
一緒に活動する重要なメンバーの一員です。
プロジェクトオーナーにはプロジェクトの意義を十分理解していただき、自分の言葉で社内に向け力強く語っていただきましょう。

まとめ

今回はプロジェクトオーナー、プロジェクトマネージャ、プロジェクトリーダーの決定の仕方について説明しました。
「誰がリーダーになるか」それはプロジェクトを推進する上でとても大事なことです。
どうしても、その組織のリーダーが自然とリーダーになる可能性がありますが、そのリーダーがどれだけプロジェクトに興味を持って参加してくれるか。
その姿勢、態度をプロジェクトのメンバーはいつも見ています。
私はそのプロジェクトの雰囲気や活気、メンバのやる気を引き出すのはそのプロジェクトのリーダーの役目だと思っています。
特にプロジェクトオーナーはどうしてもお飾り的になりがちですが、逆にそのリーダーが先頭に立ってプロジェクトを推進する姿をメンバーが見れば、とても頼もしく思い、皆のやる気に繋がっていくでしょう。
私はリーダーが変わったことによって、ガラリと雰囲気が変わり、プロジェクトに活気が出たことを経験しています。
プロジェクトを活かすも殺すもリーダー次第。
是非、リーダーにはプロジェクトを盛り上げる存在になって欲しいですね。